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歪ゆく日本

谷垣総裁が出馬断念=自民総裁選
 自民党の谷垣禎一総裁は10日午前、党本部で緊急に記者会見し、党総裁選(14日告示、26日投開票)への不出馬を明らかにした。谷垣氏は再選出馬を目指す考えを繰り返し示していた。しかし、派閥の実力者らに推された石原伸晃幹事長(55)が反旗を翻す形で立候補に意欲を示したことで劣勢が伝えられており、出馬断念に追い込まれた。
2012年9月9日 ウォール・ストリート・ジャーナル

谷垣総裁を降ろしたということは、即ち、野田、谷垣の手打ちが無効になったことを意味するものと思われる。
恐らくは、両者の間に解散時期や連立に関する何らかのコンセンサスが存在していたと想像するのだが、これによって、白紙に戻されたということなのだろうか?
これで自民党は民主党に対する方針を、大きく変えていくつもりなのかもしれない。
要は対決姿勢を強めるということだ。

とはいえ、留まることを知らない民主党の翼賛化によって自民党が飲み込まれつつある今、相違点を見つける方が難しいほど、両党の差は無くなってしまっている。
自民党としては、石原幹事長を担ぐことで、若さや決断力をアピールして、なんとかして民主党との違いを見せつけたいところなのだろう。
でもって、より右傾化した政策や発言を連発するなどして、更なる民主党との違いを出そうとしてくるんじゃなかろうか。
特に尖閣問題は、石原幹事長のお父ちゃんも絡んでいるだけに、恰好のネタになりそうな予感。
また、余計な外交問題にまで発展しなければいいけど...

一方の、民主党の方はというと、野田再戦でほぼ決まりの様相を呈している。
自民党の総裁交代が決定的となった以上、これで早期の解散の目は無くなったと言えるんじゃないのかな。
いずれにしても、毎度お馴染みの膠着した政局が当面続くということだ。

それにしても、両党首選共に人材不足なのが一目瞭然な見事なまでのラインナップ(笑)
何の魅力も感じられない立候補者達が、消費税と反原発をNGワードにした党首選を繰り広げることになる訳で、市民感覚から凡そかけ離れた党首争いを世間に晒して、なんかいいことあんの?
低次元な党首選を見せ付けて支持率が上がるとでも思っているのだろうか。

それこそ、既成政党への失望は、そのまま橋下新党を利することでしかないんだけど...
つまりは、民主党と自民党が低次元の政局争いを繰り広げている間に、橋下新党が支持を着々と伸ばす構図が出来上がっていくということ。
即ち、政権与党が翼賛体質を強めていく一方で、野党第一党が右傾化によって存在感を示そうとすれば、いずれも支持しない人達の受け皿として、カリスマリーダーが誇る急進的な新自由主義の政治集団が、その勢力を延ばしてきているというのが、今の日本の政治が置かれている状況なのだ。
しかしまぁ、なんと歪な政治の勢力図なのだろうか!
ほんと、この先、日本はどうなっちゃうんだろう。

その橋下新党に関しては、いずれ考えをまとめようと思っているのだが、当ブログでは断固反対の立場であることをここに明言しておきたい。
まずもって、橋下市長の独裁的な政治手法を支持する事はできないし、何より強烈な新自由主義に基づいている政策ポリシーは、今の日本をより最悪な状態に招いていくものと考えている。

橋下市長の言動には、政治や行政を民間会社や会社経営に置き換えている節が多々見受けられるが、それはとんでもない間違いだと思う。
そもそも利潤の追求と公共のサービスを同列に語ることなどありえない話なのだ。
公共サービスがあるからこそ国民が安心して暮らせるのであって、そこに経済合理的な判断が入り込む余地はない。
重税感の解消は、公共サービスを充実させることであって、減税や公共サービスの削減は、市民生活に不利益をもたらすことにしかなりえないのだ。

結局のところ、橋下新党が目指そうとする社会は、経済的に恵まれ者だけが悠々自適に暮らせる社会でしかない。
しかし、それは、多くの庶民の犠牲の上によって成り立つ社会でもあるのだ。
かつての小泉元総理は「痛みを伴う改革」といって多くの庶民の支持を得たけれども、
実際は、その痛みを一方的に庶民に押し付けて、本人は何ら痛みを共有する事無く優雅な隠居生活を送っている。
当時、熱狂的に支持した多くの人達は、そのことをどう思っているのだろうか?

はっきり言っておきたいのは、橋下新党の政策理念は、そんな小泉改革をより先鋭化した新自由主義の政策そのものであるということ。
庶民から所得を奪い、公共サービスを奪おうとする国造りを目指しているのだ。
ルサンチマンに煽られた多くの人々が、橋下市長に期待を寄せる構図が見受けられるが、結局のところ、橋下新党の政策で痛い目を見るのは、そういった人々自身であることをお忘れなく。

我々有権者は、政治家の実行力を支持するのではなくて、実行しようとする中身を支持しなければならないのに、政治に対する極度な閉塞感が、国民の冷静な判断を狂わそうとしている。

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