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振り込め詐欺は第4の矢?

しばらく更新をサボタージュしていた間に消費税が上がってしまった(笑)
時を前後して、その消費税引き上げに関する政府広告がやたらテレビで流れていたけど、見る度にムカついて仕方が無かったね。
CM上では、社会保障の為の消費税アップを必死にアピールしていたけどデタラメもいいところ。
そもそも、消費税による増収分で社会保障に回るのは僅かな予算でしかなく、何より社会保障というのは、社会的弱者を救済する為の政治システムであるはずなのに、それを逆進性の高い消費税で補おうというのは、国家による庶民に対する圧制にしかなりえず、まさに本末転倒な話でしかない。
ましてや、税金を使ったプロパガンダで国民を騙くらかす税金の喧伝をしている訳で、もはや自虐ギャグだ。
更に言うに事欠いて、法人税の引き下げまで言い出す始末で、いやいや、それって、税収を法人税から消費税にすりかえようとしているだけの話でしょ。

安倍首相、法人税率引き下げ指示 自民党税調会長に
安倍晋三首相は16日、自民党の野田毅税制調査会長らと首相官邸で会談した。首相は「私は国際的に法人税改革を約束し、多くの人(投資家)の期待を裏切ることがないようにしないといけない」と述べ、法人税の実効税率の引き下げを検討するよう指示した。
2014年4月16日 朝日新聞デジタル

ちなみに、法人税の話になると決まって出てくる、諸外国並みの法人税にする為に税率を引き下げるべきって話なんだけど、これもまた、まやかしの論法にしか過ぎない。
というのも、本来、企業が社会的に負担する費用には、税金の他に社会保障費もある訳で、確かに法人税だけを切り取って見れば、日本の税率は決して低くはないものの、社会保障費と併せた企業負担の総額で見てみると、むしろ諸外国と比べると逆に低い水準となってしまうのだ。
つまり、諸外国と比較するのであれば、法人税だけに言及するのではなく、社会保障費も含めた企業負担で語られてこそ、意味を持つ話と言える。
即ち、安倍政権がやろうとしていることは、たださえ低い企業の社会保障費には目もくれず、法人税だけをターゲットにして税率を引き下げて企業負担を減らす一方で、消費税を引き上げて国民には負担を強いるという税制改革でしかない。
そうなってくると、社会保障の為の消費税を引き上げという宣伝文句は、もはや詐欺としか言いようの無い話となるのだ。

ついでに詐欺と言えば、相変わらず振り込め詐欺の被害が一向に止まる気配にならないけど、これも極論を言ってしまうと、日本の税制や社会保障が歪んでしまっている裏返しなのだとも言える。

そもそも日本が陥っているデフレ不況は、所得の格差が広がり、低所得者層が増大してきたことが主な要因と考えられており、即ち、これらを是正すべく、所得の移転や再分配が果たされるようになることが、不況脱出の道筋と考えるのが当たり前だ。
ところが、アベノミクスしかり消費税の引き上げしかり、安倍政権の繰り出す政策には、むしろ格差を固定化させたり、富の一極集中を招くような真逆の政策を連発する格好となっている。
社会保障制度にしても、所得格差が広がっていけば、低所得者の負担は増える一方で、そもそも社会保障サービスを必要としない高所得者の負担はますます軽くなるという、もはや誰を助けたいとしているのか判らないあべこべな社会保障制度となるのだ。
つまり、繰り返しになるけれど、景気にしても社会保障にしても、今の日本にとって一番必要なのは、格差を是正する所得の移転や再分配を機能させる政治システムの運用以外にないはずなんだけど、残念ながら、安倍首相の頭には、そんな考えは微塵も無いようだ。

って、そう!
まさに、そんな考えの微塵もないことが、振り込め詐欺が蔓延する理由なのだ。
というのも、詐欺師の連中がやっていることは、それこそ所得の移転に他ならない。
つまり、振り込め詐欺とは、資産を持つ高齢者から無職の若者への非合法な所得の移転そのものなのだ。
格差という社会の歪が大きくなればなるほど、その反動もまた大きくなっていくだけのこと。
所得格差に対する日本の政治や社会の無策が、社会性を失った持たざる者を、持つ者から直接奪う行動に駆り立てさせていると言っても過言ではない。
何をこじつけているのだ?!と思う人はよく考えてみて欲しい。
その国で多発する犯罪は、その国の社会が抱えている問題を、鏡のごとく映し出しているようなものだということを。
そんな訳で、安倍政権が続く限り、振り込め詐欺の被害が減ることはないだろう。

では、なぜ安倍政権は、そうまでして、権力や資本を持つ者に対して優遇措置を図ってその地位を強固にしていく一方で、持たざる者に対しては、一層の負担を強いる政策を繰り出そうとするのだろうか?
恐らくそれは、無力化した国民を増やすことが狙いなのではないかと想像している。
格差の増大、固定化を図ることで、多数の国民の無力化を推し進め、一部の政治家や大企業による中央集権的な国家運営を目論んでいるということだ。
そして無力化した国民が増えれば、当然、不満や社会的ストレスを抱えて生活していく人々が増えることになる訳で、その捌け口として排外主義が結びつき、加えて、そんな彼らを正当化させてくれる、安倍首相や橋下大阪市長のような強権的な政治家に迎合してしまうのが、昨今の右傾化の実態ではないかと考えている。

韓国人女性の活動を中傷…お遍路「外国人排除」の差別的貼り紙の陰湿な狙い、心ない行為に憤る地元
四国各地のお遍路休憩所などで、特定の外国人排除を訴える貼り紙が相次いで見つかっている。はがき大の紙に「『大切な遍路道』を朝鮮人の手から守りましょう」などと差別的な文章が印字され、各県などが調べたところ香川、徳島、愛媛3県の計25カ所で38枚が確認された。四国霊場では、お遍路の魅力を伝える「先達」に選ばれた韓国人女性(38)が外国人向けに道案内のシールを貼る活動をしており、貼り紙はこうした行為を中傷したものとみられるが、地元では「差別は許されない。恥ずかしい行為だ」と怒りの声が上がっている。
2014年4月24日MSN産経ニュース

例えば、上記ニュースに関するネットでの反応なんかがそうだったように、排外主義で溢れかえりとても見れたものではなかった。
それこそヤフーなんかのニュースのコメント欄や果ては知恵袋など、レイシスト達が集うサイトかと見まごう程の有様だったりで、あまりに野放図なヤフーの企業倫理に疑問を感じるのと同時に、もはや呆れるしか他ない低俗なものとなっている。

しかしながら、彼らの主張の多くに見られるような、例えば、韓国や中国の存在を日本の社会から排除出来たとして、果たして、そこに彼らが望むユートピアなぞ実現するのだろうか?
どう考えても、そうは思えない。
彼らは、ただ単に批判や中傷のターゲットを探し求めていることでしかなく、次の標的が見つかれば、そっちに一斉に向かっていくだけの話で、彼らの言説に的外れなもの感じずにはいられない。

そう、今の日本が抱えている社会問題は、どれも的外れなものばかりなのだ。
つまりそれは、社会が抱える歪や矛盾を、誤魔化すことで、なんとかやり過ごそうとしているようにしか思えない。

・餓死者を生む社会保障制度。
・逆進性の高い税収で賄うとする社会保障費。
・株価が上がっても景気を実感出来ない経済。
・社会的弱者を生み出す権力に迎合する弱者達。
・お遍路のおもてなし文化を否定するナショナリスト。
・東京オリンピックの特需で後回しにされる震災復興。
・少子化が進む一方で増え続ける待機児童。
・女性の社会進出を掲げる男性優位の政界。
・靖国神社で平和や不戦を誓う政治家。
・近隣の貿易国と外交が築けない政府。
・原発事故が未解決のまま推し進められる原発政策。

等々...

とまぁ、上げればキリが無い程の歪や矛盾を抱えている今の日本社会。
でも、これらは全部、権力者と呼ばれる連中が、勝手に作り出しているものばかりなんだよなぁ。
こっちの方が、よっぽど反日的なんですけど...(爆)

真面目な話、社会や個人が抱える様々な歪や矛盾と向き合って、それを解決しようと努力していくことは、とても面倒で辛い作業だ。
ついつい、気を紛らわせてくれたり、心地よいものに目が奪われて、解決を後回しにしたり、本題から目を逸らしたくなるのも、仕方がないことなのかもしれない。
が、しかし、そうしている間にも、歪や矛盾はどんどん大きく広がっていくのだ。
そして、広がり続ける歪は、そのエネルギーを貯め続け、限界に達した時に、まるで大地震のように、我々の生活や社会に大きな反動となって跳ね返ってくるのである。
その昔、大地震によって日本列島が沈んでしまう「日本沈没」という映画にもなった有名なベストセラー小説があったけど、このまま行けば、いつかそれが現実のものとなるように思えて仕方が無い。
ただしそれは、大地震によって引き起こされるのではなく、我々自身の手によって引き起こされるのだ。


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